「貧困と孤独と表現〜釜ヶ崎における協働の自立支援・就労準備支援表現プログラム〜」 NPO法人ココルーム・釜ヶ崎芸術大学

開催日:

10月~12月(予定)

会場:

釜ヶ崎芸術大学 ほか

コーディネーター:

上田 假奈代 詩人、NPO法人ココルーム代表理事

内容

釜ヶ崎は高度経済成長を支えた日雇い労働者のまちは多様な存在をうけとめてきた。
NPO法人ココルームは2003年から大阪市西成区日本最大の寄せ場・釜ヶ崎(通称)に関わり、拠点をおいている。
上田假奈代は詩人としてこの活動をはじめ、喫茶店のふり、釜ヶ崎芸術大学という大学のふり、ゲストハウスのふりなどを展開し、労働者が高齢化し、野宿、生活保護の生活へと移行するなかで、偏見と孤独と孤立のはざまで「であいと表現の場」をつくっている。
生活保護受給者の社会的つながりづくりや、若年層の生活保護受給者の就労準備支援としての表現プログラムを10年あまり、地域の団体と協働しながら取り組んでいる。
「あいりん臨時夜間緊急避難所」(シェルター)には高齢化し、かつ、コロナ禍で孤立した日雇い労働者だけでなく、働く気力を失った若年層も混じり、継続利用者に対して自立支援の取り組みが求められている。
そこで、委託先のNPO釜ヶ崎支援機構と連携し、ソーシャルワーカー、研究者も加わりながら、グループワークによる気づきやコミュニケーションスキル・自立意欲の向上などを目的とした定期的な自立支援表現プログラムを開発し、企画・実践する。
また、若年の生活保護受給者への就労準備支援の表現プログラムにも携わりながら、段階的な支援のあり方を学ぶ。
1回目に、受講生は、上田らとの企画会議に参加する。
2回目以降、それぞれが、計10回程度の自立支援プログラムのうち4回程度の実施サポートを行う。
最終回は、上田らの意見交換と振り返りを行う。
3年間継続し、最終年度は、イギリスでホームレス状態にある人を「文化リーダー」として育成する取り組みを行うマットピーコック(Arts & Homelessness International)を招き、再チャレンジの可能性をさぐる。

コーディネーター

上田 假奈代 詩人、NPO法人ココルーム代表理事

1969年・吉野生まれ。3歳より詩作、17歳から朗読をはじめる。10代後半から20代前半に京大西部講堂で活動し、「下心プロジェクト」を立ち上げ、トイレ連れ込み朗読など行い、生きることと表現の関わりをさぐる。2001年「ことばを人生の味方に、詩業家宣言」。2003年、大阪・新世界で喫茶店のふりをしたアートNPO「ココルーム」を立ち上げ、釜ヶ崎に移転し、2012年「釜ヶ崎芸術大学」開講。2016年ゲストハウスのふりもはじめ、釜ヶ崎のおじさんたちとの井戸掘りなど、あの手この手で地域との協働をはかる。2013年から、65歳以上の単身生活保護受給者の社会的つながりづくり事業での表現プログラム、2021年から64歳までの生活保護受給者の就労準備支援の表現プログラムをコーディネイトする。
大阪公立大学都市科学・防災研究センター研究員、NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表理事。堺アーツカウンシル プログラム・ディレクター。大手前大学非常勤講師。

アーカイブ

釜ヶ崎の日雇い労働者に対して、グループワークによる気づきやコミュニケーションスキル・就労意欲の向上などを目的とした定期的な就労準備表現プログラムを開発し、企画・実践するプロジェクトです。
9月30日は、当該活動の初回であり、オリエンテーションと、プロジェクトの実施場所であるあいりん臨時夜間緊急避難所(通称シェルター)、「ひと花センター」、 「どーん!と西成」を見学しました。オリエンテーションでは、自己紹介、シェルターなどプロジェクト実施場所の説明、今回のプロジェクトの趣旨、内容の紹介が行われました。
「2023西成動物園プロジェクト」では、生活保護受給者などに生活支援・就労支援を行う団体の協力を得て、日雇い労働者と美術家の井上が動物の下絵を書き、ベニヤをくりぬき、ベニヤに動物を描き、山王みどり公園に設置する作業を行いました。
「永井玲衣とおやつと問いの時間」では、シャルターの日雇い労働者に対して、1回目は、哲学者永井が音楽家の片岡とともに、参加者の問いや疑問を集めるワークショップをおこなった。
2回目は沖縄の公民館長宮城潤とともに、参加者の不思議なことを集めるワークショップを実施しました。
「墨と筆と石と手と」とでは、シェルターの日雇い労働者に対して、書家の華雪が書道のワークショップを実施しました。

お問い合わせ先

大阪公立大学 「EJ ART」事務局(都市経営研究科内)

Eメール : info@eandjart.jp
電話 : 06-6605-2496 [平日 9:00~17:00]