概要

大阪公立大学「EJ ART」人材育成プログラムの2年目がスタートします。EJは、Equity(公正)&Justice(正義)の略称で、社会的・人種的不平等が芸術文化の価値に関わる議論でも重要視されるなか、Diversity(多様性)や社会包摂(Inclusion)の文脈で使われる事が多くなっています。

大阪・関西では、環境問題(公害など)、日雇い労働者の貧困と孤立、LGBTQや在日・移民の差別など大都市・大阪固有の深刻な社会的課題に対応するアートNPOなどの蓄積が顕著です。一方で、次世代育成、ネットワーク形成に課題があり、私たちは、ソーシャルワークとアートを架け橋し、アートを媒介に公平・正義に取り組むコーディネート人材を育成していきます。ソーシャルアートとは、誰もが社会的排除に晒されない環境づくりに向けて、表現行為・活動を通して、公正と正義が保たれる社会の実現をめざす芸術活動です。また、アートNPOの後継者不足の背景にある業界の構造的抑圧や搾取にも目を向けていきます。これらの社会課題を解決するアプローチとして、Equity(公正)&Justice(正義)、AOP(Anti-Oppresive Practice/反抑圧的実践)に着目し、「基礎講座」「ゼミナール」「実践・場づくり」「EJ Café」などのプログラムを展開していきます。

本プログラムは2023~2025年度の3年間実施していく予定です。3年間継続受講することで、受講生のニーズに応じて、ソーシャルアートコーディネーターに必要とされる専門性をそれぞれに身につけていただきます。1年目は、受講生の皆さんにソーシャルアートへの関心を高めていただきました。2年目は、講座での学びを、各自の現場でフィードバックしていただくことを期待しています。3年目には、「EJ Café」を発展継承させ、レガシーとしてそれぞれが対等な立場でネットワークに参加する実務と相談窓口のプラットフォームを残したいと考えています。もちろん、今年度から始めて受講される方も大歓迎です。年齢、経験、学生・社会人などを問いません。アートやソーシャルワークに関心のある皆さん、奮ってご参加ください。

                                         2024年6月

AOPとは?

Anti-Oppressive Practiceの略で、日本語では反抑圧的実践と訳され、ソーシャルワークの文脈で発展してきました。誰もが当事者であることを前提として社会の抑圧構造に目を向け、様々な立場の人とともに、社会資源を活用し、互いの豊かさや課題を共有しあいながらJustice(正義)の実現を目指します。

[ 実施期間 ] 
2024年7月~2025年2月

[ 実施場所 ]
大阪公立大学梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)
大阪公立大学I-siteなんば(大阪市浪速区敷津東2-1-41 南海なんば第1ビル2階)
各アートプロジェクトの現場など

[ 受講対象者 ]
アートプロジェクト運営にかかわる実務者、ソーシャルワーカー、地域コーディネーター、行政担当者(文化政策、福祉政策)、美術館・ホール・博物館等の学芸員・職員、研究者(大学院生等)、アーティスト、リカレント希望者。および対面で参加できる方。
*若手(年齢を問わない)あるいはそれぞれの職能の志望者をメインの対象としています。

[ 受講方法・受講料 ]
定員|30名 (選択制のプログラムを除き、すべての受講を推奨)
必修プログラム 「基礎講座(計7コマ」+「ゼミナール(計4コマ)」(受講料|11,000円)  
選択プログラム 「実践・場づくり」(受講料|4,000円)/「ブックレット」「アーカイブ」「評価」
通期プログラム 「EJ Café」

「基礎講座」に限り1回ごとの受講可(受講料|1,500円/1回ごとの総定員|40名)

*原則、必修プログラムに参加された方に限り、選択・通期プログラムを受講することができます。
*本事業では、アーカイブとして写真および動画の撮影を行います。また、これらの記録データを限定的に公開する場合がございますので、あらかじめご了承ください。
*7月7日(日)の「EJ Café」はオリエンテーションを兼ねて実施します。受講を希望される方は、できる限りご参加ください。

[ 応募方法 ]
オフィシャルサイトの応募フォームよりお申し込みください。
〆切:6月25日(火) 23:59 

*「基礎講座」1回ごとの申込〆切は、開催日の3日前。

選考方法:応募者多数の場合は、応募動機等を参考に選考します。
また、〆切を過ぎても定員に達していない場合は、追加募集を行う場合もあります。

選考結果:6月28日(金)に応募者全員に連絡します。

受講希望者向けオンライン説明会
6月16日(日) 13:00~ / 20日(木) 19:00~(1時間程度)
参加希望日・氏名・電話番号を明記のうえ、Eメール(info@eandjart.jp)よりお申し込みください。

2024年度 運営体制

(*事業推進プロジェクトチーム)

アート系教員
*吉田隆之(代表)大阪公立大学大学院都市経営研究科
*菅原真弓 大阪公立大学大学院文学研究科
*沼田里衣 大阪公立大学大学院文学研究科
*中川 眞 大阪公立大学都市科学・防災研究センター

ソーシャルワーク系教員
*五石 敬路 大阪公立大学大学院都市経営研究科
*新ヶ江章友 大阪公立大学大学院都市経営研究科
*水上 啓吾 大阪公立大学大学院都市経営研究科
 除本 理史 大阪公立大学大学院経営学研究科

プログラムマネージャー
*松尾真由子 アートマネージャー、一般社団法人brk collective代表理事

プログラムコーディネーター
*金崎亮太 株式会社アートマネージメント代表取締役、電子音響音楽家     
*山口貴子 アーティスト、Katsurao Collective キュレーター

アートコーディネーター 
 松岡咲子 アートコーディネーター、女優
 南田明美 静岡文化芸術大学文化政策学部講師 

ソーシャルワーカー
 朴洋幸 特定非営利活動法人トッカビ代表理事
 大里祥 大阪市
 塩川悠 大阪市

2023年度 HP