概要

大阪公立大学「EJ ART」人材育成プログラムの3年目がスタートします。EJは、Equity & Justice(公正と正義)の略称で、Diversity(多様性)やInclusion(社会包摂)の文脈だけなく、地球環境問題や、ウクライナ戦争・ガザ紛争など国際的平和でも問われる状況にあります。

大阪・関西では、環境問題(公害など)、日雇い労働者の貧困と孤立、LGBTQや在日・移民の差別など大都市・大阪固有の深刻な社会問題に向き合うアートNPOなどの蓄積が顕著です。一方で、次世代育成、ネットワーク形成に課題があり、私たちは、ソーシャルワークとアートを架け橋し、アートを媒介に公平・正義に取り組むコーディネート人材を育成していきます。これらの課題を解決するアプローチとして、EJ(公正と正義)、さらには、抑圧やアライ(共に行動する姿勢)に目を向けるAOP(反抑圧的実践/Anti‐Oppressive Practice)にも着目し、プログラムを展開していきます。

本プログラムは2023~2025年度の3年間のプログラムです。3年間継続受講することで、受講生のニーズに応じて、ソーシャルアートコーディネーターに必要とされる専門性を育んでいただくことを目標としてきました。ソーシャルアートとは、誰もが社会的排除に晒されない環境づくりに向けて、表現行為・活動を通して、公正と正義が保たれる社会の実現をめざす芸術活動です。

1年目は、受講生の皆さんにソーシャルアートへの関心を高めてもらい、2年目は、その基礎知識を習得しました。3年目は、それぞれが現場での企画実践に挑戦します。かつ、応用講座などを通して、ソーシャルアートの新たな視座を提示したいと考えています。加えて、レガシーとして、受講生、講師、スタッフらが対等な立場で参加するネットワーク形成・プラットフォーム構築をめざします。もちろん、今年度から初めて受講される方も大歓迎です。アートやソーシャルワークに関心のある皆さん、奮ってご参加ください。

                                         2024年6月

AOPとは?

Anti-Oppressive Practiceの略で、日本語では反抑圧的実践と訳され、ソーシャルワークの文脈で発展してきました。誰もが当事者であることを前提として社会の抑圧構造に目を向け、様々な立場の人とともに、社会資源を活用し、互いの豊かさや課題を共有しあいながらJustice(正義)の実現を目指します。

[ 実施期間 ] 
2025年7月~2026年2月

[ 実施場所 ]
大阪公立大学梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)
各アートプロジェクトの現場など

[ 受講対象者 ]
アートプロジェクト運営にかかわる実務者、ソーシャルワーカー、地域コーディネーター、行政担当者(文化政策、福祉政策)、美術館・ホール・博物館等の学芸員・職員、研究者(大学院生等)、アーティスト、学生、リカレント希望者など。および対面で参加できる方。
*アートを通して社会課題と向き合いたい方、特にアートコーディネーター志望者を求めます。

[ 受講料 ]
受講生対象プログラム:15,000円/学生:5,000円(社会人学生は除く)

*受講生は、公開プログラムの参加費も上記受講料に含まれます。

[ 修了証書 ]
本プログラムを所定の条件のもとで修了された方には、大阪公立大学より発行される修了証書を授与します。

[ 応募方法 ]
オフィシャルサイトの応募フォームよりお申し込みください。
〆切:6月25日(水) 23:59 

*公開プログラムのみの一般参加の方は、専用応募フォームよりお申し込みください。

選考方法:応募者多数の場合は、応募動機等を参考に選考します。
また、〆切を過ぎても追加募集を行う場合もあります。

選考結果:6月30日(月)に応募者全員に連絡します。

2023年度または2024年度の受講生対象
必修プログラム「実践・場づくり」の選択コースを「ソーシャルアート・チャレンジ・プログラム」に振替可能です。 

*本事業では、アーカイブとして写真および動画の撮影を行います。また、これらの記録データを公開する場合がございますので、あらかじめご了承ください。

*7月4日(金)の「EJ交流会」はオリエンテーションを兼ねて実施します。受講を希望される方は、できる限りご参加ください。詳細は中面をご覧ください。

受講希望者向けオンライン説明会
6月5日(木)19:00~/15日(日)13:00~(1時間程度)
参加希望日・氏名・電話番号を明記のうえ、Eメール(info@eandjart.jp)よりお申し込みください。

2025年度 運営体制

(*事業推進プロジェクトチーム)

アート系教員
*吉田隆之(代表)大阪公立大学大学院都市経営研究科
*菅原真弓 大阪公立大学大学院文学研究科
*沼田里衣 大阪公立大学大学院文学研究科
*小島剛 大阪音楽大学ミュージックコミュニケーション

ソーシャルワーク系教員
*五石敬路 大阪公立大学大学院都市経営研究科
*水上啓吾 大阪公立大学大学院都市経営研究科
 除本理史 大阪公立大学大学院経営学研究科

プログラムマネージャー
*松尾真由子 アートマネージャー、一般社団法人brk collective代表理事

プログラムコーディネーター
*金崎亮太 株式会社アートマネージメント代表取締役、電子音響音楽家、大阪公立大学大学院都市経営研究科     
*山口貴子 アーティスト、Katsurao Collective キュレーター

アートコーディネーター 
 松岡咲子 アートコーディネーター、女優
 南田明美 静岡文化芸術大学文化政策学部講師 

ソーシャルワーカー
 朴洋幸 特定非営利活動法人トッカビ代表理事
 大里祥 大阪市

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