③「伴奏者のための『脱いい子』ワークショップ 〜『ケアする/される』を演じて考える〜」

開催日:

7月20日(木) 19:00〜21:00

会場:

大阪公立大学梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)

講師:

「アート/ケア/文化政策」研究会 風間 勇助 奈良県立大学地域創造学部講師 / 南田 明美 静岡文化芸術大学文化政策学部講師 / 齋藤 梨津子 早稲田大学大学院博士課程

内容

第4回目基礎講座では、個別具体的な場面にAOPの理念を援用した即興演劇ワークショップを実施します。
AOPでは、問題を経験している当事者らを「専門家」と捉え、ソーシャルワーカーを「アライ(伴走者)」と位置付けます。
ソーシャルワーカーは「ケアする/される」の二項対立構造を脱するため、自分の立ち位置を常に批判的に省察する力が必要となります。
しかし、「ケアする」側は「する/される」の居心地よさを噛み締めていることもあります。
ケアが「暴力性」を帯び、抑圧を再生産する装置として機能しているのです。
この「支援する」側をアートマネージャーに置き換えることもできるのではないでしょうか。
ワークショップでは、児島亜紀子先生のご講演にあった事例を用いて即興で参加者らがその事例の登場人物に成り切ります。
どのような会話と「葛藤」が展開されるのでしょうか。
ぜひ、他者のレンズから自分の想像力を広げて抑圧の交差性を感じ、ご自身の「自由への恐怖」と「想像力の限界」を見つめ直し、新たな世界を切り開いてみませんか?

講師

「アート/ケア/文化政策」研究会

当研究会は、ケアの倫当研究会は、ケアの倫理とアートと文化政策を架橋することを目指して、2021年から活動を開始しました。
文化政策やアートマネジメントの現場では、2000 年代以降に効率性や経済性を求める新自由主義的な価値観が広まりました。
他方で、新自由主義がもたらす格差や社会的排除を問題視し、社会包摂への方策に注目する文化政策の研究と実践も生まれています。
わたしたちは、「役に立つ、儲かる」という点がアートを価値づける際の優先事項として選び取られる中、そうではない価値を示しうる言葉を育むために、ケアの概念を参照しました。
同時に、ケアもアートも、その良い側面ばかりを取り上げるのではなく、そこに内在する危険性にも十分に目を配りながら、議論することを目指しています。
国内外の研究者・実践家・当事者のみなさんと共に、ケアとアートと文化政策について様々な視点から考え、言葉を紡ぎ、その実践を行う場が、この研究会です。

風間 勇助 奈良県立大学地域創造学部講師

奈良県立大学 地域創造学部 講師、NPO 法人マザーハウス理事
1991年、静岡県生まれ。刑務所とアートを実践、研究しています。
この社会で埋もれてしまうかもしれない小さな声に、どのように寄り添い社会に表現としてコミュニケーションを生み出せるのかを考えています。

https://researchmap.jp/pacr-kazama

南田 明美 静岡文化芸術大学文化政策学部講師

静岡文化芸術大学 専任講師
1985年、大阪府生まれ。2022年4月に、職場の関係で外国人集住都市である浜松市に移住しました。
大学院生時代からの続きで「アート×多文化共生」を極めるべく、浜松市内の外国人集住地区で地域の方々と学生等と共にコミュニティ音楽/コミュニティ・アート活動を実施中です

https://researchmap.jp/intercultural-5931

齋藤 梨津子 早稲田大学大学院博士課程

1984年、三重県生まれ。シンガポールで文化研究を学び、帰国後コロナ禍の東京で子育てをする中でケアの倫理と出会いました。
アートに参加・体験するために、子どもをあずける・あずかる・あずけられることについて研究・実践しています。養育里親をやっています。

https://researchmap.jp/ritsukosaito

アーカイブ

ソーシャルワーク第3回は、受講生が知識として得たAOPを、自身の問題として咀嚼していく演劇的ワークショップを実施しました。
AOPとアートを自らの実践を通して考えてきた3人の若手研究者、風間勇助、南田明美、斎藤梨津子講師をコーディネーターとして招きました。
ワークショップを通して、参加者は、身の回りでおかしいと思うことから自身に引き付けてAOPを考え、声をあげてみたときに、安心して帆走してもらえる仲間は誰なのかについてもイメージを膨らませました。

お問い合わせ先

大阪公立大学 「EJ ART」事務局(都市経営研究科内)

Eメール : info@eandjart.jp
電話 : 06-6605-2496 [平日 9:00~17:00]