⑨「記録とアーカイビング - NAMURA ART MEETING '04-'34を契機として」
開催日:
8月31日(木) 19:00〜21:00
会場:
大阪公立大学梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)
講師:
櫻田 和也 NPO法人記録と表現とメディアのための組織、大阪公立大学都市科学・防災研究センター特任講師
内容
近年、アートプロジェクトではアーカイブが注目されていいます。
アーカイブは「過去」の出来事の記録ですが、「未来」の社会がそれを受け取ります。
それはデータのみならず、物質までも含み、際限なく増加してゆくことでしょう。
今回の講座では、櫻田講師には、北加賀屋における30年計画を具体例としてお話しいただきますが、単にスキルの紹介ではなく、そもそも「アーカイブとは何か」という思想的な問題にまで踏み込んでいただく予定です。
[櫻田講師よりのメッセージ]
なんでもプロジェクトの時代となりました。歴史なんか忘れたらいい、とでもいうのでしょうか。
ヴィレム・フルッサーは晩年、プロジェクト(前へ・投げる投企)の時代になることを予見しました。
オブジェクト(投げ・られる対象)に従属するサブジェクト(下へ・投げる主体)に対して、未来の労働は可能性のデザインになると。
でも、まだ人類はそのプロセス(過程)のすべてを記録する術をもってはいません。
わたしたちは未来にどんな歴史を遺すのでしょうか?
バックミンスター・フラーはじぶんのことをモルモットBと名付けて、後半生を実験台にその足跡のすべてをアーカイブしたそうです。
30年計画のプロジェクトでドキュメンテーションを受託したとき、まず考えたのはこんなことでした。
プロジェクトの過程における出来事のすべてを記録する、スキャナーとなること。[psp] というのは、そんな試みの最初の一歩でした。
ここでは、当時の方法を思い出しながら、その後の展開をふりかえりたいと思います。