「EJ 芸術祭」
開催日:
展示 : 2024年1月18日(木)~21日(日) 11:00-19:00 *最終日21日のみ14:00まで / シンポジウム : 2024年1月20(土) 13:00~16:00
会場:
大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] room1(4F) ※展示+シンポジウムとも同会場
内容
私たちは、2023年6月、大阪公立大学「EJ ART人材育成プログラム」を立ち上げました。
EJとは、Equity(公正)&Justice(正義)の略です。近年欧米では、Diversity&InclusionにEquity&Justiceも含めていくというアプローチが、マイノリティの社会構造的不平等の問題に日々向き合うなかで、雇用、人材育成、就業環境等で活用されています。国内に目を転じると、Equity&Justiceという概念を使わずとも多くの先駆的実践が見られます。しかし、アート業界では、貧弱な財政支援、ブラックな労働環境などが要因となり、ハラスメントや搾取、疲弊、ジェンダーギャップが多々指摘されてきました。
本プログラムの特徴の一つは、アートを媒介とした深刻な社会課題の解決・克服を念頭に置きつつ、ソーシャルワーク的な手法、思考方法についての専門性を高めていくことです。とくに抑圧構造を捉えるAOP(Anti Oppressive Practice)のプログラムは、アートマネジメント教育では先駆的な取り組みで、自分たちの働く業界から不正義を一掃するマインドを身につけていきます。
私たちは、対話による学びを重視しつつ、主に4つのプログラム「基礎講座」「リサーチ」「実践・場づくり」「EJ Café」を展開してきました。「EJ 芸術祭」では、その成果発表として、「実践・場づくり」の展示とシンポジウムを開催します。
展示:実践・場づくり
2024年1月18日(木)〜21日(日) 11:00〜19:00 *最終日21日のみ14:00まで
ジェンダー:Silhoulette Family(『性的マイノリティの家族のカタチ』の写真展)
[ 一般社団法人こどまっぷ ]
コーディネーター:長村 さと子 (一般社団法人こどまっぷ代表理事)/ 新ヶ江 章友 (大阪公立大学大学院都市経営研究科、人権問題研究センター教授)/ 澄 毅 (アーティスト)
性的マイノリティはこれまで差別や偏見に晒されることが多かったため、社会構造の「すきま」の中で非可視化されています。
一般社団法人こどまっぷは、LGBTをはじめとする性的マイノリティの出産・子育てを支援し、当事者同士の交流する機会とネットワーク形成を行う活動を行ってきました。
本芸術祭では、日本で出産・子育てを行っている性的マイノリティを可視化させ、その様子を社会に広く伝えるために、写真展を開催します。
そこにある声を聞きなおす 〜公害から環境共生へ〜
[ NPO法人西淀川子どもセンター / 公益財団法人公害地域再生センター・あおぞら財団 ]
コーディネーター:松岡 咲子 (アートコーディネーター、女優) / 村田 のぞみ (アーティスト)
大阪・西淀川は、深刻な大気汚染公害を経験した歴史を持っています。
一方で、中心地へのアクセスの良さからニューファミリーが増え、公害の歴史を知らない子どもも増えています。
今回は、子どもたちも交えながら、地域のリサーチをしたり、公害患者の話を聞くなかで、気になった言葉を作品の一部としていくワークショップを重ね、「アケルナルの光をみる」の作品制作を行いました。
本芸術祭では、アートプロジェクトを文化施設に橋渡しする展示を行います。
貧困と孤独と表現 〜釜ヶ崎における協働の自立支援・就労準備支援表現プログラム〜
[ NPO法人ココルーム・釜ヶ崎芸術大学 ]
コーディネーター:上田 假奈代 (詩人、NPO法人ココルーム代表理事)
NPO法人ココルームは、西日本最大の寄せ場・釜ヶ崎(通称)に関わり、地域に根ざしながら、さまざまな人々とであい、表現とまなびあいの場をつくる活動を行ってきました。
今回の実践プログラムでは、釜ヶ崎にある支援施設「あいりん臨時夜間緊急避難所」(通称シェルター)や「ど〜ん!と西成(西成版サービスハブ構築・運営事業)」「ひと花センター(西成区単身高齢生活保護受給者の社会的つながりづくり事業)」の利用者を対象に哲学者、書家、アーティストらと、自立支援の一助になることをめざしコミュニケーションスキルの向上などを目的とした表現プログラムの企画・実践を行いました。
本芸術祭では、井上信太(アーティスト)による「2023西成動物園プロジェクト(仮)」、華雪(書家)による「墨と筆と石と手を」のそれぞれの成果を発表します。
シンポジウム
2024年1月20日(土) 13:00〜16:00 (受付12:30まで)
前半には、受講者による「リサーチ」「実践・場づくり」の報告、コーディネーター陣のコメントを踏まえ、成果や課題を共有していきます。
後半のパネルディスカッションでは、2024年度の指針・方向性、大阪・関西のソーシャルアートの今後について、会場全体で話し合っていきましょう。
[ 開催概要 ]
参加費|無料
定 員|20名(要申込)
会 場|大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] room1(4F)
*展示と同会場
*11:00〜17:00の時間帯は展示が見えにくい状態になる可能性がございます。予めご了承ください。
[ ゲスト ]
上田 假奈代 (詩人、NPO法人ココルーム代表理事)
久保田 翠 (認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ理事長)
南田 明美 (静岡文化芸術大学文化政策学部講師)
松岡 咲子 (アートコーディネーター、女優)
村田 のぞみ (アーティスト)
鎗山 善理子 (公益財団法人公害地域再生センター・あおぞら財団)
長村 さと子 (一般社団法人こどまっぷ代表理事)
澄 穀 (アーティスト)
新ヶ江 章友 (大阪公立大学大学院都市経営研究科、人権問題研究センター教授)
[ プログラム ]
第1部 「リサーチ」報告
「高齢化と多様性と孤立の社会で」
NPO法人ココルーム・釜ヶ崎芸術大学
「『表現未満、』の取り組み~“障害”と“表現”とまちづくり〜」
認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ
「多様な共生のありかた」
一般社団法人HAPS
第2部 「実践・場づくり」報告
「ジェンダー:Silhoulette Family(『性的マイノリティの家族のカタチ』の写真展)」
一般社団法人こどまっぷ
「そこにある声を聞きなおす〜公害から環境共生へ〜」
NPO法人西淀川子どもセンター / 公益財団法人公害地域再生センター・あおぞら財団
「貧困と孤独と表現〜釜ヶ崎における協働の自立支援・就労準備支援表現プログラム〜」
NPO法人ココルーム・釜ヶ崎芸術大学
第3部 パネルディスカッション
[ 申し込み方法 ]
下のボタンより予約フォームにアクセスいただき、必要事項を入力のうえお申し込みください。
*定員になり次第、申込の受付を終了させていただきます。定員に満たない場合は当日受付も行います。
パンフレットをダウンロードしていただけます。