⑩「これからのアートについて」

開催日:

9月7日(木) 19:00〜21:00 プログラム 19:00~20:00 講演 / 20:00~21:00 質疑応答&ディスカッション

会場:

大阪公立大学梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)

講師:

中川 真 大阪公立大学都市科学・防災研究センター特任教授

内容

タイトルは「これからのアートについて」となっているが、では具体的にこんなアートがこれからのもの、ということを示すわけではない。
そうではなく、これからのアートを支える考え方、見方といったものについてお話ししたい。
その中で考えてみたいのは「アートは誰のためにあるのか?」ということと、「アートと『正義』『公平』は共存できるのか?」ということの2点である。

講師

中川 真 大阪公立大学都市科学・防災研究センター特任教授

最初はベートーヴェンの交響曲の研究からスタートしたが、1970年代の文化人類学席巻の時代にアジア諸民族の音楽に触れ、モンゴル音楽、インドネシア音楽の研究へとシフト。特にバリ島でのガムラントレーニングを通して環境と音楽の関係に目覚める。その後、サウンドスケープ理論に出会って、関心は音楽から音響、環境音へと広がる。その成果が『平安京 音の宇宙』『サウンドアートのトポス』であるが、2001年に勤務先が京都市芸大から大阪市大に移って、ホームレス研究の専門家集団と行動をともにするようになり、釜ヶ崎をベースとした活動に転移。また、知的に障害ある人とのコラボをするに至って「社会包摂とアート」という沼の中に入ってゆく。同時に、アジアのスラム、貧困地域、紛争地帯を訪れ、表現とは何か、「声なき声」をいかに可聴化するか、などといったプロジェクトに取り組む。その路程として『これからのアートマネジメント』『アートの力』『受容と回復のアート』『アジア詩集』を上梓。近年は、京都府南部の過疎地にて、住民レベルのソーシャル・アクティビズムと連携しながら、影絵やダンス作品を作り続けている。大阪公立大学都市科学・防災研究センター特任教授。サントリー学芸賞、京都音楽賞、小泉文夫音楽賞、日本都市計画家協会賞特別賞など受賞多数。

アーカイブ

最終回⑩「これからのアートについて」では、中川眞講師から、コロナ禍でアートの意義が問われたこと、アートとケア、弱さの力、アートとジェントリフィケーションなどの問いが受講生に投げかけられました。
受講生同士のディスカッションでは、分からないことを言える空間作りなどAOPを意識した発言もあり、基礎講座をそれぞれに振り返る最終回となりました。

お問い合わせ先

大阪公立大学 「EJ ART」事務局(都市経営研究科内)

Eメール : info@eandjart.jp
電話 : 06-6605-2496 [平日 9:00~17:00]