⑦「現場における実践 - ”記憶の地図”を巡るアートプロジェクト」

開催日:

8月17日(木) 19:00〜21:00

会場:

大阪公立大学梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)

講師:

吉田 隆之 大阪公立大学大学院都市経営研究科准教授 / 榊原 節子 榊原節子建築研究所代表、大阪公立大学大学院都市経営研究科修士2年

内容

本講義では、前半で、社会実践型アートの先駆例を紹介したい。
芸術祭が流行を始めた2010年頃、アート・芸術祭で地域・社会が変わるのか、市民活動が起きるのかが、国内で問われた時代があった。
そうした問いに応えたのが、あいちトリエンナーレ長者町会場の事例である(吉田担当)。
後半では、アートに門外漢の社会人学生が、それぞれのキャリアをいかしながら臨んだ唯一無二のユニークなプロジェクトを取り上げる。
大阪市福島区野田は、マンション建設が進む一方、昔ながらの長屋や下町風情を残している。
その一角で、改修中の家屋で繰り広げられた「記憶の地図」を巡るアートプロジェクトである(榊原担当)。
受講生には、本講義を通して、ステークホルダーの協働など、アートプロジェクトが地域・社会課題解決を一目的とした場合に、現場に必要なことは何かを考えるきっかけとしてもらう。
それは、本事業の後半に展開される自らの実践活動を有意義にすることだろう。

講師

吉田 隆之 大阪公立大学大学院都市経営研究科准教授

大阪公立(市立)大学大学院都市経営(創造都市)研究科准教授。文化経済学会〈日本〉理事、日本文化政策学会監事。博士(学術)、公共政策修士(専門職)。愛知県庁在職時にあいちトリエンナーレ2010を担当。研究テーマは、文化政策・アートプロジェクト論。
著書に『トリエンナーレはなにをめざすのか 都市型芸術祭の意義と展望』(水曜社、2015年)、『文化条例政策とスポーツ条例政策』(吉田勝光との共著、成文堂、2017年)、『芸術祭と地域づくり “祭り”の受容から自発・協働による固有資源化へ』(水曜社、2019年)、『芸術祭の危機管理-表現の自由を守るマネジメント』(水曜社,2020年)等。

榊原 節子 榊原節子建築研究所代表、大阪公立大学大学院都市経営研究科修士2年

設計事務所の主宰。大学院で学ぶ目的は、建築設計との関わりが深い都市や地域の価値や再生のあり方を捉え、自身の設計にフィードバックすること。
今回のアートプロジェクトは、自身が改修設計を手がける工事現場を会場とした。設計をする上で建物のある場所性には意識をしているが、このプロジェクトを通して、街中を歩き暮らす方の生の声を聴くことで、地域と建物、そして新たな住まい手との関係について、深く思考を巡らす機会となった。また改修中の現場に展示することで、改修前と改修後の時間軸を意識し、設計者として新たな視座を持つことができた。

アーカイブ

⑦では、吉田隆之・榊原節子講師から、都市経営研究科「アートプロジェクト論」で取り組まれた-”記憶の地図”を巡るアートプロジェクトでの社会人学生によるアマチュアによる実践が紹介されました。
社会人がそれぞれの得意分野をいかし、地域住民が積極的に参加し、会場の喧騒が特徴だったり、地域の記憶の継承ができたり、日本の新たなソーシャルアート理論が生まれる可能性が示唆されました。

お問い合わせ先

大阪公立大学 「EJ ART」事務局(都市経営研究科内)

Eメール : info@eandjart.jp
電話 : 06-6605-2496 [平日 9:00~17:00]