アートマネジメントの現場や仕事で抱えた「もやもや」について対話を深めながら、それらをしょうがないと飲み込むのではなく、AOPをヒントにして、声をあげる練習をします。その先に、アートNPOや文化芸術活動の持続可能性について考えます。
プロフィール
南田明美(みなみだあけみ)
静岡文化芸術大学文化政策学部講師
1985年大阪府生まれ。2022年4月に、職場の関係で外国人集住都市である浜松市に移住。大学院生時代からの続きで「アート×多文化共生」を極めるべく、浜松市内の外国人集住地区で地域の方々と学生等と共にコミュニティ音楽/コミュニティ・アート活動を実施中。
風間勇助(かざまゆうすけ)
奈良県立大学地域創造学部講師
1991年静岡県生まれ。刑務所とアートを実践、研究しています。この社会で埋もれてしまうかもしれない小さな声に、どのように寄り添い社会に表現としてコミュニケーションを生み出せるのかを考えています。
中川 眞(なかがわしん)
大阪公立大学都市科学、防災研究センター特任教授
アーツマネジメント、サウンドスケープ、サウンドアート、東南アジアの音楽などについて、フィールドワークを軸に実践的研究を行う。またガムラン合奏団を創設し、活発に演奏活動も行う。主な著書に『平安京 音の宇宙』『サウンドアートのトポス』『アートの力』、編著に『これからのアートマネジメント』『受容と回復のアート』、小説『サワサワ』など。京都音楽賞、サントリー学芸賞、インドネシア共和国外務省功労賞、日本都市計画家協会賞特別賞、京都市芸術振興賞など受賞多数。近年は美術館研究に勤しむ。
アーカイブ
9月27日(金)
2024年9月27日「 AOP〜いつも抱えている『もやもや』をベースに声を上げる練習をしてみる〜」講師は南田明美さん、風間勇助さんをむかえ、第2回を開催しました。
最初に、参加者の自己紹介と合わせ前回を振り返ったのち、AOP(※1)ゼミ内でのグラウンドルールの共有をしました。
風間さんより、「今回のゼミを始めるにあたり、ゴールは急がなくて良い、AOPの考え方をじっくり学ぶ場であれば」と語られました。
また、「『もやもや』とは、複雑に絡み合った事象(インターセクショナリティ)であるからこそ解像度を上げていくことで見えるものがある」と南田さんより伝えられました。
第2回のゼミの前に出された課題「企画書」を元に、参加者の間での対話が始まりました。それぞれにかかえる「もやもや」を以下の項目に沿ってプレゼンしました。
1、あなたが感じている「もやもや」を1つ書いてください。なぜもやもやするのか、言語化してみてください。
2、その「もやもや」をもたらしている社会的要因は何だと思いますか。
3、そも「もやもや」に対してどのようなアクションを起こしますか。
4、参考事例を1つ以上とりあげ、参考になったポイントを書いてください。
休憩を挟んだのち、風間さんより「ソーシャルアクション入門」が紹介され「気づく」「つながる」「調べる」「伝える」「動かす」の5つの要素を紹介されました。
その後、参加者は自分はどのようなことができそうか。について発表しました。
「もやもや用語集をつくる」「言い換えできる言葉をつくる。カルタなど」「カメラなどを使い演じてみることで変わるのでは」「発想を変えて仕組みを新しく作ること、そして新しいアイデアを広めて標準になれば」「ネットワークを構築することで助け合うことができるのでは」などとの発表がありました。
今後、参加者は次回までに実践の方法を考え、3回目のゼミで実践案をトライすることへと進めます。
※1AOPとはAnti-oppressive(social work)practiceの略