アートNPOや文化芸術活動を運営する上で避けて通れない「財源」について考えます。レクチャーでは、日本の文化政策における補助金の仕組みや海外の事例を交えた解説を行います。また、アートNPOの立場から補助金の活用方法を検討するワークショップも実施します。これらを通じて、「財源」について深く理解していきます。
プロフィール
水上啓吾(みずかみけいご)
大阪公立大学大学院都市経営研究科准教授
横浜国立大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。鳥取環境大学を経て、2013年より大阪市立大学創造都市研究科准教授。主な著書に『交響する社会』(ナカニシヤ出版)、『ソブリン危機の連鎖』(ナカニシヤ出版)など。
この半世紀、世界的に「グローバル化」や「分権化」という言説が広がり、地方政府の役割が注目されるようになってきました。その一方で、少子高齢化が進行する日本においては、大規模な自然災害や感染症といった社会に深刻な影響をもたらす事象を契機として、地方自治体の資金調達方法や公共サービスの供給方法が変化してきました。その際、地方自治体は、制度面では上位政府である国との関係に規定されつつ、住民や諸団体、民間事業者等との連携方法を模索しています。こうした現状について財政学や地方財政論のアプローチにより研究しています。
上田假奈代(うえだかなよ)
詩人、NPO法人ココルーム代表理事
1969年・吉野生まれ。3歳より詩作、17歳から朗読をはじめる。10代後半から20代前半に京大西部講堂で活動し、「下心プロジェクト」を立ち上げ、トイレ連れ込み朗読など行い、生きることと表現の関わりをさぐる。2001年「ことばを人生の味方に、詩業家宣言」。2003年、大阪・新世界で喫茶店のふりをしたアートNPO「ココルーム」を立ち上げ、釜ヶ崎に移転し、2012年「釜ヶ崎芸術大学」開講。2016年ゲストハウスのふりもはじめ、釜ヶ崎のおじさんたちとの井戸掘りなど、あの手この手で地域との協働をはかる。2013年から、65歳以上の単身生活保護受給者の社会的つながりづくり事業での表現プログラム、2021年から64歳までの生活保護受給者の就労準備支援の表現プログラムをコーディネートする。大阪公立大学都市科学・防災研究センター研究員、NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表理事。堺アーツカウンシル プログラム・ディレクター。大手前大学非常勤講師。