2010年代は、芸術祭が流行した時代といえるでしょう。大型芸術祭の一番の課題は、持続可能な財源確保だと考えます。講義の前半では、吉田隆之氏からパンデミック後の日常を取り戻すなかで、財源に折り合いをつけながら、各地域に根差す新たなアートの胎動とその理論的アプローチについてお話します。高岩みのり氏からは、足元の大阪で地域に根差した取り組みとして、西成区のまちをフィールドとした「ちょちょまうヴァナキュラー」を紹介します。後半の皆さんとのディスカッションを通して、ソーシャルアートの未来を現場から紡いでいきます。

日時
8月7日(水) 19:00〜21:00
会場
大阪公立大学梅田サテライト 101教室
講師
吉田隆之(大阪公立大学大学院都市経営研究科准教授)
高岩みのり(ちょちょまうヴァナキュラー実行委員会・事務局、一般社団法人brk collective理事、アートマネージャー)

プロフィール

吉田隆之(よしだたかゆき)
大阪公立大学大学院都市経営研究科准教授

神戸市生まれ。日本文化政策学会監事。博士(学術)、公共政策修士(専門職)。東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程音楽文化学専攻芸術環境創造分野修了。愛知県庁在職時にあいちトリエンナーレ2010を担当。研究テーマは、文化政策・アートプロジェクト論。著書に『芸術祭と地域づくり “祭り”の受容から自発・協働による固有資源化へ』(水曜社、2019年)、『芸術祭の危機管理-表現の自由を守るマネジメント』(水曜社,2020年)、『文化条例政策とスポーツ条例政策』(吉田勝光との共著、成文堂)ほか。
https://yoshi-lab.org/

高岩みのり(たかいわみのり)
ちょちょまうヴァナキュラー実行委員会・事務局、一般社団法人brk collective理事、アートマネージャー

1984年生まれ。茨城県出身。2014〜2023年度まで大阪市の文化事業である西成区を拠点としたアートプロジェクト「Breaker Project」事務局スタッフ。現在は、2015年度よりBreaker Projectと美術家・きむらとしろうじんじんが実施してきた「作業場@旧今宮小学校」を軸として2024年度新たにスタートした西成区の事業「ちょちょまうヴァナキュラー」の実行委員会・事務局を務める。多様な地域のアクターと協働し「アート」を媒介とした様々な活動から生まれる出会いやできごとを糧として今日まで活動を継続している。